CD制作への道
SO-Project
~パパパの2重唱パタカラマver.~
CD制作への道
このCDの始まりは、私が言語聴覚士監修のボイストレーニングを始めた頃にさかのぼります。
「何か、楽しみながら取り組める良い教材はないだろうか」
そんなことを考えていたとき、当時私自身が歌っていたモーツァルトのオペラ《魔笛》「パパパの二重唱」が頭に浮かびました。
この曲の「パパパ」という軽快なフレーズに、口腔体操などでも使われる「パ・タ・カ・ラ」を当てはめてみたところ、驚くほどぴったり。
後に「マ」も加え、現在の「パタカラマ」を使った歌へと発展していきました。

実際にST監修ボイストレーニングで皆さんと歌ってみると
反応はとても良く、STボイストレーニング以外の場でも好評でした。
そして参加された方々から、
「普段もこれを聴きながら歌いたい」
「口の体操として続けたい」
という声をたびたびいただくようになりました。
私自身もこの曲を歌った後には、口の周りや喉に心地よい疲労感があり、口が動かしやすくなる感覚がありました。
そこで、「私がその場にいなくても取り組めるものにできないか」と考えたことが、CD制作へとつながっていきます。
施設での日常的な口腔体操や食事前の時間、発声練習やコーラスのウォーミングアップなど。覚えやすいメロディーなので、一度覚えてしまえば取り組みやすく、CDを使えば一人でも一緒に歌うことができます。
このCDを届けたいのは、発音や発声に難しさを感じている方、食べることや飲み込むことに不安を感じている方、そしてそうした方々を支える施設スタッフや専門職の皆さんです。
また、今困っている方だけではありません。
いつまでも自分の口で食べ、楽しく話し、歌い続けたい方。日々の嚥下体操や口腔体操に少しマンネリを感じ、「もっと楽しく続けられるものが欲しい」と思っている方にも使っていただきたいと考えています。

初めてのレコーディング
そして、企画はいよいよレコーディングへ。
私にとって本格的なプロの現場での収録は初めてで、最初はかなり緊張しました。
しかし、現場のスタッフの皆さんがとても良い雰囲気を作ってくださり、収録に集中できる環境の中で進めることができました。
ただし、この「パタカラマ」がなかなか手強い(笑)。
普段でも一度通して歌えば、口の周りに心地よい疲労感があります。それをレコーディングでは、より良い音源にするため何度も録り直します。
今回は「初級 → 中級 → 上級」の順番で収録しましたが、時間が経つにつれて口もかなり疲れてきました。
上級を録る頃には、
「上級から録ればよかった……」
と歌いながら少し後悔したほどです(笑)。
それでも、一つひとつ音にしていくことで、これまで現場で皆さんと歌ってきた「パタカラマ」が、場所を越えて届けられる教材になろうとしていることを実感しました。


このCDで届けたいもの
目指しているのは、難しいことではありません。
いつまでも楽しく、口から食べること。
楽しくお話しすること。
そして、楽しく歌うこと。
そのための一つのきっかけとして、このCDを使っていただけたらと思っています。
そしてもう一つ。
原曲はモーツァルトのオペラ《魔笛》。
普段オペラを歌ったことがない方にも、「自分もオペラの二重唱を歌った」という、
ちょっとした特別感や達成感を味わっていただけたら嬉しいです。